(下記は前回の投稿から続きます。)
今まで話しているのは深刻な問題につながらなかった誤訳だけです。でも重大な結果のある誤訳も起こっています。カーターがポーランドで遭った困難よりも大変だったのはソ連首相のニキータフルシチョフ氏が1956年に発表したスピーチの誤訳です。このスピーチでフルシチョフが共産主義の方は資本主義より長生きするという信念を表現しました。「ブルジョア階級が自分の墓掘になる」というカールマルクスが語った発言をあげました。

「好むと好まざるとにかかわらず、歴史はこちらの味方です。貴方達が自分の墓掘になるまで待つ」とフルシチョフが言いました。
これは特に落ち着かせる発言ではありませんでした。でも西洋通訳家はこれをもっと攻撃的な発言に訳しました:「俺たちはお前らを埋めてやるぞ。」アメリカ人政治家は激怒して、アメリカの国民はソ連が核兵器を発射すると心配しました。
驚くには当たらなく、日本語のような文脈依存的な言語も危ない誤訳を受けています。例えば、1945年にアメリカがポツダム宣言を発行して、日本が降伏して第二次世界大戦から退くように要求しました。この宣言について話していたら、日本首相の鈴木氏が「黙殺」と言いました。おそらく「ノーコメント」という意味でした。しかし、文脈によって、「黙殺」という言葉は「軽蔑をこめて無視する」という意味をします。アメリカの政府はこの通訳を信じることにしました。鈴木首相の「軽蔑」はトルーマン大統領が広島と長崎に原爆を落とすと判断したことに影響を及ぼしたと主張している歴史家がたくさんいます。

こんなにじめじめなテーマでエッセイを終えないために、西洋文化に重大な影響を及ぼしている非政治的な誤訳をいくつか話そうと思います。4世紀に翻訳家の守護聖人であるジェロウム聖人は聖書をギリシア語に訳せるようにヘブライ語を勉強しました。彼の翻訳は後で出版された何百個かの翻訳の基本になりました。残念ながら、一つの重大なミスが入っていました。聖書にはモーセが十戒を持って山から降りると、「頭は輝いていた」ということが書いてあります。古代ヘブライ語で「輝いている」は「karan」と言います。しかし、ヘブライ語に母音がないから、ジェロウム聖人が「角」という意味をする「keren」として訳してしまいました。なので何世紀か世界中のキリスト教徒がモーセは角があったと信じていました。ルネサンス時代の絵画を見るとモーセの角が見えます。

最後にあげる例は1877年に起こりました。その時、イタリア人科学者のジョバンニ・バージニオ・シアパレリが火星の表面を記述したり地図を作ったりし始めました。シアパレリが火星の表面にある溝を見て、これを自分の記録で「canali」と呼びました。「Canali」は「運河」を意味する英語の「canal」に似ていますので、アメリカ人天文学者のパーシバル・ロウエル私が誤解して、火星の表面に人工的な運河があると思い込みました。これは宇宙人の文明があったのを証明する証拠であると思ってしまいました。数十年をかけてこの「人工的な運河システム」の地図を作って、彼の「発見」について3冊の本を出版しました。殆どの科学者はロウエルの主張を信じていません。しかし、火星で知性のある文明があったと信じている一般人が今でもあります。
上記の事件に比べて、私の「おみず」というミスはそんなに悪くないでしょう。少なくとも私がそう信じたいのです。





































