
前回、アメリカのインターネットでよく使われている日本語 について話しました。もちろん、日本でよく使われている英語の言葉もあります。その言葉の中では、「和製英語」は興味深い現象だと私が思います。「和製英語」は、英語の言葉を使って新しい表現を作る、という意味です。
この過程では、言葉は多かれ少なかれ意味が変わりますので、アメリカ人にとって和製英語はたまに分かりにくいです。しかし、意味が説明されたら、いつも「ああ、ぴんとくる!」という感じです。実は、和製英語で日本人の創造力が示されています。少なくとも、私はそう思います。
私の一番好きな和製英語は下記の通りです。
1) カンニング
日本語で「カンニング」は他人の試験などをこっそりと見て、その人の答えを盗む、という意味ですね。ニュアンスは非常にネガティブでしょう。しかし、英語の「cunning」は少しポジティブな感じです。意味は日本語の「ずる賢い」に近いです。Cunningな人は頭がよくて、創造力と知性を使うことで自分の利益を追求します。日本と同じように、アメリカでこういう特徴がキツネに当てはまると考えられています。

カンニング

Cunning
2) ホームドクター
私が初めてこの言葉を聞いたのは職場にいた時でした。日本人同僚は「アメリカでどうやってホームドクターを選びますか」と質問しました。
「え?ホームドクター?」と私が返事しました。「患者の家に来るお医者さん?」
私は「ホームドクター」という表現を聞いたら、「house call」という表現がすぐに思い浮かびました。アメリカでは数十年前にお医者さんは患者のhomeに来て、そこで手当てをしました。これは「house call」と呼ばれました。今はそういうシステムが大体ありませんので、同僚をガッカリされるしかないと私が思いました。
実は、同僚が伝えたかったのは「家庭医」や「プライマリケア医師」ということでしたね。英語で普通に「primary care physician」と呼ばれます。しかし、「ホームドクター」という表現の筋がよく分かります。「ホームベース」とか「ホームポイント」みたいな感じですね。「家」に関係がありません。(笑)

House callをやっている医者

ホームドクター
3) コンセント
数年前、アニメを見た時に初めて「コンセント」を聞きました。実は、そのアニメで、あるキャラクターが英語で話そうとしていました。

「Oh, konsento. I love konsento.」とそのキャラクターが言いました。
最初にぴんと来ませんでした。「コンセント」は英語の「consent」に聞こえます。しかし、「consent」は「同意」という意味です。少し調べた上、「コンセント」の起源が分かりました。「Consent」ではなくて、「concentric plug」です。

Concentric plug
明治時代には、現在に使われているプラグがまだ発明されていませんでした。その代わりに、「concentric 」プラグ (「coaxial」プラグも言われている) が使われました。結局プラグのデザインが変わったのに、「コンセント」という言葉が生き残りました。
4) ベビーカー
殆どのアメリカ人にとって、「ベビーカー」を聞くと、以下のようなイメージが浮かぶでしょう。

つまり、「ベビーカー」イコール「ベビーが操縦する車」というイメージです。しかし、全然違うんですね。実は、「ベビーカー」は以下のようなものです。

ベビーカー
「ベビーカー」の筋を理解できて、正直にいうとアメリカ英語の「stroller」という言葉より好きです。
5) ベッドタウン
この言葉は素晴らしいと私が思います。英語で「bedroom community」と言うけれど、それは「ベッドタウン」より複雑で分かりにくいでしょう。「ベッドタウン」の方が短くて、可愛くて、すぐに理解できる表現です。

ベッドタウン
6) ハートフル
日本に住んだ時、私はこの言葉をよく聞きました。「彼の発言はハートフルだった」とか「ハートフルなメッセージカードを送りたい」とか。英語でそういう言葉がないにもかかわらず、最初から意味を理解できました。「温かい言葉や行為で表される」という感じですね。
英語で「heartfelt」や「sincere」と言うけれど、アメリカ人も「ハートフル」を使い始めた方がいいと思います。
